今週末のカズ選手、UCI World Cup #7 イタリア

今週末のカズ選手は、イタリアへトリップ。
UCIワールドカップ第7戦に出走する。
早いもので、今シーズンのワールドカップも最終戦。

今回のイタリアを終えると、今シーズンのビッグレースは世界選を残すのみ。
昨日、JCFが日本代表を発表し、もちろんカズ選手は代表入り決定!!
個人的に一番ビックリしたのは、マッサー兼通訳のビンセント・フラナガン氏。
往年のTREKライダー、懐かし過ぎる(笑。

今回の舞台は、イタリアの北の果て。
スイス・オーストリアとの国境が近い山岳リゾート、Val di Sole
世界遺産ドロミテ山塊の懐、チロル地方の一部で、イタリア語よりもドイツ語が通じるうんぬんかんぬん・・・
・・・ま、アルプスの少女ハイジ的な絶景が広がる場所と思いねえ(笑。

Val di Sole、英語ではThe Sole Valleyと言うそうな。
Soleとはイタリア語で太陽のことだから、さぞ日当たりがいい谷なんだろうな(笑
地図を見れば一目瞭然、山脈に挟まれた細長い谷間に街がある。


何となく、白馬に似た感じがするね。
いいね、白馬好きのオレにはたまらない場所だね(笑。
ライブカメラを置いているホテルもありました。
http://www.hotelpezzotti.it/


カズ選手、ここに来るのは初めてじゃない。
2008年の世界選手権以来、3年ぶりの再訪となる。
当時のカズ選手のレースレポートを見ると、実に感慨深い。

2008年MTB世界選手権大会 レースレポート

当時はUCIポイントがほとんどなくて、ほぼ最後尾からのスタート。
渋滞でいちいち完全停止させられて苦しんだ様子が生々しく書かれている。
国内ではそんな領域にいないだけに、辛かっただろうね。
足切り後はトップ連中の走りを凝視し、トップ選手と体格の違いがほとんどないことを悟る。
何が違う?どう違う?
今年の海外転戦に繋がる姿勢がありありとしている。

あれから3年。
オリンピックを狙うUCIランキング140位の選手としてこの谷に戻ったカズ選手。
きっと大きな感慨を抱いているだろうし、モチベーションも高まっているのではないかな?

今回のコース、2008年の世界選や昨年のWC第5戦と同じかどうかははっきりしない。
けちなことに、何故か公式ホームページがないのですよ(^^;
まあ、ワールドカップクラスのコースをいくつも作れるとは思えないし、過去の実績に地元も気を良くしているようなので、場所は同じでしょうね。
昨年のワールドカップのコースマップはこれだけども、今回は少し変わるようです。

標高は800m~950mとあるから、富士見と同じくらいだろうか。

チェコやDalby Forestみたいなギミックあるコースも面白いけど、オレはこういうのどかなコースの方が好きだなあ(笑

実はこの一年、ここでのレースは楽しみにしていたんだ。
っていうのも、久々にXCOの動画を見て感嘆したのが昨年のここでのレースだったからね。
トラクターみたいにモリモリ登ってくる連中が印象的だったんだよね。

http://freecaster.tv/mountainbike/1011055/uci-mtb-world-cup-xco-5-val-di-sole-men-replay

カズ選手、大いに自分をぶつけてきて欲しいね。


ここで現実的な話。
前戦チェコでのカズ選手の獲得ポイントは3点で、ランキングは138位から140位となった。
このくらいなら、スタート位置はチェコとさほど変わらないと思う。

問題はオリンピック予選における日本のランキング。
チェコを終えて10位に位置する日本だけども、状況はランク順以上に厳しい。
このグラフを見て欲しい。

このグラフは、オリンピック予選が始まった5月以降の国別ポイントの推移を示したもの。
UCIがこれまでに8回発表したランキングの上位20ヶ国分を並べてみた。

上位4ヶ国はもう飛び抜けて強い連中がいる国で、チャンピオンを狙うレベル。
クルハヴィ(チェコ)、シューター(スイス)、アブサロン(フランス)、ヘルミダ(スペイン)など、世界選優勝を狙う連中がいる。
その次のセグメントにいるのがイタリア、ドイツ、オランダ。
CFRのフォンターナ(イタリア)やフミック(ドイツ)がセカンドパックの先頭争いをすることが多いことを考えれば、合点がいくでしょう。
ちなみにCFRのグジャンはスイスだけども、シューターやヴォーゲルといったトップ選手がいるせいか、オリンピック予選の対象選手ではない。

日本が位置するのはその次のセグメントで、見ての通り一番の激戦区。
このセグメントにいる国を得点で示すと次のようになる(カッコは日本との得点差)。

8位 カナダ 899(+55)
9位 アメリカ 890(+36)
10位 日本 854
11位 オーストリア 851(-3)
12位 ベルギー 848(-6)
13位 南アフリカ 812(-42)

オーストリア、ベルギーとの差はわずか数ポイント。
13位の南アフリカとも42ポイントしかない。

さらに気になるのは、グラフの傾きが周辺国に比べて緩いこと。
先週末に積み上げたポイントだけで並べ替えるとこうなる。

1位 カナダ 151
2位 ベルギー 120
3位 アメリカ 114
4位 オーストリア 76
5位 南アフリカ 68
6位 日本 30

先週10位だったオーストリアは11位とランクを下げたものの、先週末で76ポイントを獲得している。
同じく13位だったベルギーに至っては、なんと120ポイントも上乗せした。
対して、日本が積み上げたのは30ポイント。
このペースは16位くらいの国とほぼ同じ。

このままいけば、日本はこの週末でモーツァルトとチョコレートに抜かれる可能性が高いと考えねばならない。
もしそうなった場合、日本は12位。
現在13位の南アフリカも得点ペースでは日本を上回るので、世界選終了時点で13位を守れるかどうか。
泣いても笑っても、これが今の日本の立ち位置。

正直なところ、このグラフをブログに書くか迷ったよ。
けれども、カズ選手たちはこの現実を背負ったうえで、「オリンピック2枠を獲る!」と公言している。
簡単ではないこと、今の状況を予想したうえで言っている。
であれば、応援する側がその厳しさ、重さを共有することには意味があると思ったんだ。


とはいえ、やりようはある気がした。
先週末に日本の4倍のポイントを積み上げたベルギーだけども、強豪を多く持つ国かと言えばそうでもないんだ。
チェコで60位以内に入った選手はたった1人で、それも25位(56ポイント)。
もう1人の選手は71位だから、3ポイントのみ。

ここにUCIが予選対象としている各国の選手のリストがある。

それを見ると・・・、

10 Japan (JPN) 854
Kohei YAMAMOTO JPN19850820 451
Seiya HIRANO JPN19870515 252
Kazuhiro YAMAMOTO JPN19821015 151
12 Belgium (BEL) 848
Kevin VAN HOOVELS BEL19850731 368
Sebastien CARABIN BEL19890328 270
Sven NYS BEL19760617 210

ほれ、チームとしての選手のパワーバランスは日本とよく似ている。
では、なぜこんなに得点ペースが違うのか?
ここにナショナルチームとしての差を生む要因があるはず。

対して、先日ワールドカップチャンピオンを決めたクルハヴィ擁するチェコは2位だけども、ほとんどクルハヴィ1人の力でこの地位にある。

2 Czech Republic (CZE) 1873
Jaroslav KULHAVY CZE19850108 1150
Jan SKARNITZL CZE19860711 371
Milan SPESNY CZE19770322 352

ちなみに、来年5月のオリンピック予選終了までには、ワールドカップが3戦スケジュールされている。

3月17-18日 XCO#1 南アフリカ
4月14-15日 XCO#2 ベルギー
5月12-13日 XCO#3 チェコ

現実として、ワールドカップで一気に大量得点できるようになると考えるのは難しい。
アジア選手権などの大陸選手権も、予選期間内には行われない。
従い、日本はとにかく数をこなす方向に向かざるを得ないってことになる。
ところが、アジア地域でのUCIレースはほとんどないのだ。

世界選が終わっても、今シーズンのUCIレースは32ある。
週末の数にすると10週くらいのチャンスがある。
来年も2月頃から欧州C1などに遠征するのだろう。
時にはワールドカップをパスしてでも、高いポイントを稼ぎに出る必要に迫られるかもしれない。

チームジャパンとして取り組んでいく必要がある。

と言っていたけれども、個人競技であるMTBでチームって??と思った人は多いと思うんだ。
その理由はこういうところにあるんだろうね。
ここまで調べて、カズ選手たちが背負う現実の重さは充分理解できた。
でも、2枠獲得は簡単ではないけど、手も届きそうなんだよね。
選手個人のパフォーマンスもさることながら、チームとしての得点戦略をどうするかで、確率は大きく変わってくると思った。

ここで先日触れた幸平選手の声明通り、費用の問題に直面することになると思うんだ。
欧州の選手は車で移動できるけど、日本の選手は数十倍のコストを使って飛んで行く必要がある。
ただ選手が頑張ればいいというわけではないところが、日本選手が直面する厳しさなのだと理解できる。

もちろん、こんなことは選手もJMAも先刻ご承知。
カズ選手としては、目の前のレースで上を目指して突き進むだけ!
突き進んでもらいたい!!

今回のレースは土曜日だから注意!
女子は日本時間18:45から、男子は21:30にスタート!

http://freecaster.tv/mountainbike/1014238/uci-world-cup-2011-xco-7-val-di-sole-ita

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5 Responses to 今週末のカズ選手、UCI World Cup #7 イタリア

  1. ピンバック: 日本チーム凄え « 思い描く走りを求めて

  2. NOBRAND says:

    >イシムさん

    うまく伝えられなかったかもしれませんが・・・。
    伝えたかったのは、この重さに立ち向かい続けている選手の皆さんのガッツです。
    我々が信じる力、支えたい思い、そういうのが選手の皆さんに伝わればと思った次第です。

  3. イシム says:

    冷静な分析!
    非常に厳しい戦いですが、
    KAZUさん、そして日本チームの力を信じてます!

  4. NOBRAND says:

    >カズ選手

    自分を信じるカズ選手を、私は信じていますよ。
    直接的に力になることはできませんが、可能な限りの応援をするつもりです!!

  5. KAZU says:

    やるしかないのです。
    それがここに来ている意味だし、ここで成長することがすべてなのです。
    自分を信じて進みます。

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