Inside of Lefty 2013

このところ新作ラッシュのキャノンデール、さては海の向こうで何かやってるな??(笑
で、3月にイタリアで行われたCFRのチームキャンプで初披露され、ワールドカップ第1戦の南アフリカで接写された新しいLefty。
その中身がbikerumorで公開されていますね。

ブライアン・ロープスのライディングでデビューして13年。
ダンピング機構はキャノンデール内製に始まり、Manitou、FOX、Roxkshoxと変わってきたものの、基本的な摺動機構はほとんど変化せず。
そこについに手をつけたわけで、色々な想像をせずにはいられなかった。

そこでこんな構造を予想していたのだけど・・・。

判明したのはこんな感じかな?
細部はともかく、だいたい当たっていたようです。

最大の目的は、29erや650B化に伴う抜本的な剛性向上でしょう。
そのためにロアレッグを最大限に大径化し、それに伴うモロモロで色々な手を加えたようです。

今回はHeadShok時代から変わらず使い続けてきたニードルベアリングに手が加えられた。
黒いのはヘッドショック時代から変わらぬ現行のベアリング、緑と白が新しいもの。
白い方が26インチ用、緑の方が29er用となるようです。
ここまで緑にするか(笑

HeadShok/Leftyのベアリングは、22個のニードルベアリングの入ったケージが4枚入っている。
つまり、Eighty Aidの社名でもある88本だったのだけど、ずいぶん減らしたもんだなあ。
ギリギリ、という感じだね。
ああいう外観にするには、現在のベアリング機構を上部にズラしてアウター内に閉じ込める必要がある。
しかし内部にほとんど場所がないので、従来のニードルベアリングケージでは恐らく長過ぎる。
だからベアリングケージを短くするか、あるいは摩擦係数の低いNASAっぽい素材(笑)に置換して廃止したのかと思った。
とはいえ、Leftyのベアリングには高い圧力がかかるので、樹脂っぽい素材では持たないだろうとも思った。
その後、とある出来事からベアリングの存在を確信したのだけど、ホイール径での使い分けまでやるとは思ってなかったね。

緑の29er用ベアリングが長いのは、ベアリング自体がトラベルを規制する役目を負っているためだそうな。
これまでのLeftyでは、内部のスペーサをあれこれ交換することでストローク規制し、29er用に仕立てておりました。
新たなLeftyではベアリングが単独でそれを行うため、他の部品は26インチと全く同じらしい。
29er用では100mm、26インチ用では130mmになるようです。
ベアリングがズレるとストロークが縮んじゃうけれど、それを逆手に取ったアイデアだね。
後述のラインナップを見ると、26インチ用でも100mmはあるみたいだけど、どうするのかな??

さらに予想外だったのが、ベアリングリセットの自動化。
上の写真でベアリングが突き当たっている所にあるアルミのリングがそのハンマーになるようです。
ベアリングはロアレッグ上端とツライチにセットされるようだね。
これまではLeftyのBB工具でフタを開け、グリスだらけのリングを外してコツコツ伸ばす必要があった。

とても出先でできる作業ではなかったけれど、今度のはエアを抜くだけで作業できるようです。
ポンプさえ持っていれば出先でリセットできるってのは実用的。
これは拍手だね(笑。

そしてこれが新たに加わったスベスベ機構。
アウター下端に付くダストシールのアセンブリなんだけどね・・・。

以前に書いた想像図では、ここには大きな摩擦が作用するはずと予想した。

現物では、内部にリアショックに使われるようなブッシュが入っている。
これはグライド・ベアリング(滑るベアリング)であるそうな。
一般にはオイルレスベアリングと呼ばれる機械部品だね。

想像以上だったのは、Sinさんが予想していたアッパー内部のオイルバスが本当に設置されていたこと。
Sinさん、何かを知っていたのかな??(笑
オイルバスってのは「油風呂」のことで、文字通り、機械が油の風呂の中で動くようになっている。
常にアブラギッシュなので軽い動きが維持されるという仕掛けで、フロントフォークには昔から使われる構造。
Leftyはどうしても定期的なグリスアップが必要だったのだけど、これが必要なくなるのかもしれないね。

それより何より、グリスはかなり柔らかいものを指定するのかもしれない。
HeadShok/Leftyは、ベアリングに塗りたくるグリスの粘度でかなり動きが変化するんだ。
キャノンデールが指定するグリスはバターみたいなヌトヌトグリスなんだけど、これを緩くするとそれだけで動きが軽くなる。
あまりに緩いと流れ出てしまうので、純正ではベタっと付着するグリスを使うように指定されている。

ただ、ワークスのサスペンションスペシャリストである88+の使うグリスは、かなりシャバシャバしたものだった。
少なくとも、オレが88+に出したLeftyはそうなっている。
今回の仕掛けを見るに、そういう緩いグリスか、あるいはオイルを指定するのかもしれないね。

いずれにせよ、アウター下端で発生する摩擦の軽減についてはかなりの策を講じたようです。

構造的にも、最も遠い場所(=最も力のかかる場所)にベアリングケージが位置することから、より大きな剛性を得たとしている。
テコの原理に則って、最も大きな力がかかる場所にベアリングを配置したわけだね。
キャノンデール曰く、「ハンドルの幅を広げたのと同じこと」であると。
こういうことかな?

で、自信満々に
Hybrid Bearing System
と名付けたようです。
ホント、キャノンデールは名前付けるの好きだね(笑。

ちなみに、話題の650B用としては29er用のフォークの使用を推奨するそうです。
26インチ用で650Bを使うと、深くダイブした際にクラウンに当たってケガするぜ、とのことです。

ダンパーはこれまでもちょこちょこ変わってきたのであんまし興味ないけれど、来年もRockShoxのSoloAir。
シール性能の向上と長寿命化が図られたようです。
一向に始まる気配がないダンパー交換プログラムのこともあるのか、2005年あたりまでのLeftyに使えるように配慮されているそうな。


ラインナップとしてはこうなるらしい。
26インチ用のカーボンXLRに至っては、1250gだそうです。

数値を見る限り、重さについては目立った変化はなさそう。
とはいえ、剛性向上のためにこれだけの改修を行って、よくぞこのレベルに収めたものです。
乗った記者の感想では、やはり頑丈さをかなり感じるようですね。
乗り始めのブレークイン(慣らし)では動きが渋いようで、そのへんはグライド・ベアリングのせいなのかな?
初代Leftyの剛性感をどれだけ取り戻せたか、あるいはそれを越えたのか?
楽しみではありますね。

ただね、やっぱり腑に落ちないものもある。
これまでのLeftyのように、長く乗れるのかな?ってこと。
構造を知るほどに、これまでのキャノンデールとは教科書が違うなあと感じたんだ。
今回のLeftyは、コレまで以上にレース機材の性格を強めてきたと思う。
あまりにもデリケートだし、レーシングバイク用とはいえ、市販品としてレーシー過ぎる気がするんだよ。

もともとLeftyの設計自体は巧妙で、機能もさることながら、生産性や製品寿命にも配慮されていた。
切削にしろ鍛造にしろ、モノには必ず誤差がある。
だからHeadShok/Leftyのベアリングはわざわざインナーレースを入れている。
製品の寸法誤差は、インナーレースの厚みを変えることで微調整できたんだ。
実際のモノ作りではアメリカンなワイルドさが出ちゃってゴツい個体が多かったようだし、ダンパーのオイル漏れも多かったようだけどね(^^;
磨耗するのはベアリングとインナーレースだけだから、それを交換すれば比較的安価に性能が復活して長く使うことができた。

しかし、今回追加されたグライド・ベアリングにそういった仕掛けがしてあるのだろうか?
動きが渋過ぎる個体、あるいはガタのある個体がかなり出る気もするし、調子を維持するのも難しそうな気がする。
今回のLeftyはベアリング機構が2つある。
ニードルベアリングだけでも色々あったのに、さらにグライドベアリングが増えたわけだよ。
動きの状態は2つのベアリングそれぞれの状態とともに、両者のバランスも影響することになる。
つまり、セッティングはこれまで以上に複雑になる。

それに、ロアレッグの磨耗も気になる。
最上段の写真の通り、ロアレッグは砂埃をモロに被っている。
従い、これまでと違ってロアレッグそのものも磨耗するはずなので、進行すればオイルバスのオイルが漏れるかもしれないし、レッグ交換は恐らく高くつく。
本棚氏やカズ選手のようなピュアレーサーではない一般ユーザーにとって、剛性向上の代償でこれだけの複雑さを受け入れることが本当に幸せかどうか?
すぐに答えが出ることではないけれど、個人的にはそのへんに強い関心があります。

・・・買わずして如何にそれを知るか?
そこが問題だな(笑。

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4 Responses to Inside of Lefty 2013

  1. NOBRAND says:

    たけちゃんさん

    このブログのマニア2トップが勢ぞろいで嬉しい限りです(笑
    整備性はあんまり考えませんでした(^^;
    これまでに比べたらDU交換の頻度が上がりそうですが、整備性が良ければ重大な問題ではないかも。
    29erのハンドリングが改善されるのであれば、26インチ用としても期待したいですねえ。
    入荷したら見に行くのでヨロシク(爆

  2. NOBRAND says:

    しんさん

    ビンゴでしたね(笑。
    読んでる時にまさかと思いました(^^)
    オイルは10ccとありますね。
    そのくらいの方が実用的なんでしょうね。
    ブーツ付けたらまた違うかな~?

  3. たけちゃん says:

     性能云々は別として、使ってる側からすると整備性が良くなりますよね。この図からすると下のキャップを取ればベアリングまで簡単に整備できるし、DUブッシュも摩耗したらキャップごとユニット交換しちゃえばよい。
     テレスコピックが普通だからDUもleftyが生まれたころに比べると格段の性能差ですし。RSなんでおそらくインナーはDLCかな?
     DUブッシュとベアリングの良いとこどりしたように見えます。
     個人的にはFOXのFitカートリッジでカシマコーティングにSKFシールが望みなんですが・・・・。(笑)

  4. sin says:

    素晴らしい解説有難う御座います。英語だとイマイチ???なんですよw
    オイルバスの情報はもらってませんよ~。勝手な予想です。
    感じからするとロックショックスとかと同じようなセミバスですよね?
    倒立じゃなければそれほど神経質にならなくても良いですけど、倒立だとドンドン漏れてきちゃいますよね~。一般人が使うには今までのレフティーの方が長持ちしそうな気がしますけど、やっぱり新しいのを使ってみたいですね。

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